レギュラーを張るということ

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◇中日3-5巨人(バンテリン)

 中日・大野と巨人・田中将の同学年対決は、田中が586日ぶりの勝利を挙げた。中日は初回、三回、五回と再三のチャンスをつくるも、田中の前に5回まで犠牲フライの1点のみ。ピンチの場面での田中の集中力には恐れ入った。試合のポイントとみるや出力を上げ、打者を威圧していた。ピーク時から球威は落ちたとはいえ、さすがの投球を披露した。対する大野もボコボコに打たれた訳ではないのに、気がつけば4失点。巨人打線は5点のうち4点が犠牲フライによる得点だ。取れるところできっちりと点を取る。今季は走塁にも意識の高さが感じられ、優勝した昨季よりさらに手強い印象を持った。怪我で離脱している丸の穴を全く感じさせないあたりも、選手層の厚さがうかがえた。

 この3連戦で中日よりも気になっていたのが巨人の中山だ。名古屋が地元で、愛知・中京大中京出身の高橋宏の同級生。昨季後半から存在感を増し、今季はオープン戦でも猛アピール。今では坂本とレギュラーを争うまでに成長した。中日3連戦の初戦に先発して2安打。2戦目は1番を任された。3戦目は坂本に先発の座を譲ったが、代打できっちりとヒットを放った。ここまで打率は3割以上をキープ。坂本の調子がなかなか上がってこないだけに、レギュラー奪取の可能性が高まっている。本人も目の色を変えて取り組んでいるに違いない。もし今季レギュラーを取れなければ、次にチャンスがやってくるかわからない。いや、もうやってこないかもしれない。常勝巨人のレギュラーを張るというのはそういうことなのだ。

 一方、中日の選手はそこまで危機感を持ってプレーしているだろうか。岡林と細川以外は不動のレギュラーとは言い難い状況だ。石川や村松からは、今一つ危機感が伝わってこない。一生懸命取り組んでいるとは思うが、逆方向にうまく打とうとし過ぎてはいないか。当てにいくような打撃で仮に結果が出ても、長続きはしないし、そんな打撃は求めていない。神宮では選手たちの荒々しいプレーが見たい。

 

 

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