抑え捕手の匠

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◇中日3-1広島(バンテリン)

 打のヒーローが中堅越えの代打決勝適時打を放ったブライトなら、守のヒーローは抑えの松山と加藤捕手のバッテリーだ。2点リードで迎えた九回裏。抑えの松山がマウンドに上がるも、連続ヒットでいきなり無死一、三塁の大ピンチ。一塁走者が帰れば同点の場面で、8番石原は空振り三振。広島ベンチはここで一塁の代走に羽月を送った。羽月は抜群の脚力を誇り、警戒される場面でも盗塁を決める非常にやっかいな選手だ。松山が直球を投じた瞬間、羽月がスタート。加藤の強肩でもきわどいタイミング。審判はセーフの判定だったが、リクエストによるビデオ判定で覆り、アウト。流れは一気に中日に傾き、最後の打者を三振に仕留めた。

 加藤はここまで全11試合中、スタメンマスクはわずか1試合だが、試合途中からマスクをかぶった試合が7試合もある。捕手は木下の先発起用が多いが、加藤は「抑え捕手」として存在感を高めている。この日は木下の代走で途中出場。送りバントの際、一塁走者の加藤は牽制球が来ると思ったのか、一瞬帰塁してしまってスタートが遅れ、アウトになるミスを犯した。最終回に盗塁を刺したことで、見事にミスを取り返した。今後も抑え捕手としての起用が増えると思われるが、さらに気を引き締めて試合に臨んでもらいたい。

 それにしても今日はミスが多すぎた。何でもない三ゴロを石川が悪送球。バントで進塁できなかった加藤以外にも、記録に残らないミスが頻発した。一時同点となるホームインを許した場面では、一塁のベースカバーに入った板山のホームへの送球がわずかに逸れて追いつかれた。板山は昨日の試合でも一塁のベースカバーで捕球した際、走者への警戒を怠り、小園に三塁への進塁を許していた。失策にはなっていないが、2日連続で同じようなミスはいただけない。

 それでもブライトが守備の悪い流れを一掃する適時打を放ち、松山が最後を締めた。7回無失点と好投した柳に勝星をつけられなかったのは残念だが、今季初のカード勝ち越しと、勝率5割復帰まであと1勝だ。

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