FUJISHIMA

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◇4日 広島9-4中日(マツダ)

 祖父江が打たれ、一方的な展開になりかけた四回二死一、二塁のピンチでマウンドに上がった藤嶋が、後続を打ち取った。続く五回も三者凡退で片付け、無失点投球は4試合連続となった。負け試合とはなったが、その後の五回の攻撃で2点を返し、反撃の機運を高めたのは藤嶋の力投も一因だと思う。今季はこれですでに13試合目の登板。守護神の松山に次ぐ多さだが、起用される場面はビハインドだろうが、同点だろうが、リードしている展開だろうがお構いなし。ここぞという場面で、必ず藤嶋がコールされる。「便利屋」と呼ばれてきた右腕だが、そんな言葉では失礼過ぎる。セットアッパーでもなく、敗戦処理でもない、野球界に新たな価値観を吹き込んだ究極のユーティリティープレーヤーが藤嶋であり、もっと評価されるべき選手だ。

 どの場面で登板するかわからないというのは、調整が極めて困難だと推察される。しかし、どんな場面でも気合の投球で仕事をこなす姿は、投手陣にいい影響を与えているに違いない。今年から選手会長にも就任し、チームを引っ張っていく立場となった。5月1日の阪神戦では4番手で登板し、ホールドを記録。育成出身の三浦の初勝利を我が事のように喜ぶ姿が印象的だった。新選手会長は今春のキャンプの最後でナインにこう呼びかけた。「おのおのが自分の仕事を遂行し、それを後につないでいく。つないで、つないで、それが勝利につながる。そして、それが日本一へとつながっていくことが、本当のプロとしてのチームワークだと思っている」。3年連続最下位からの日本一。その夢の実現に向かって、FUJISHIMAは今日もマウンドに上がる。

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